大学卒業後、30年程福岡銀行に勤務しておりました。50歳近くになって「金貸し」で一生終わって良いのだろうかと疑問を持ち始めました。30年間にお取引先の社長が自殺した、家族全員が夜逃げをしたという事例には事欠きません。なぜそこまで社長たちはしなければならないのか。他に道はなかったのか。

銀行員として取引先の繁栄の手助けをするのではなく、もしかしたら足を引っ張っていたのではないだろうかと真剣に考えた末、中小企業のために微力ながら手助けをしようと、
50歳を回ったところで思い切って退職独立し、社会保険労務士事務所を開設しました。

30年間銀行員をやっていると、人事、労務関係以外はそこそこ知識が身についているもので、自分に無い分野は人事、労務分野だと在職中に労務士の資格を取りました。
かなり無謀だったかもしれませんが、まったく躊躇はありませんでした。背中を押してくれたのは家族だけ、周りは、もったいないと反対されましたが、それを聞かなかったのはある種の正義感だったかもしれません。

20年近くたって、少しは中小企業の役に立っただろうかと首をかしげる昨今です。
72歳(24年生まれ)になりましたが、息子と嫁が社会保険労務士の資格をもっているので出来るだけ自分のやりたいことをやろうと、自分自身は今年から就業規則と労使紛争の防止に特化しております。77歳までは現役でいたいと思う今日この頃です。